JR東日本では、東北地方にご旅行される多くのお客さまにSLの旅を体験していただくことで、観光面からの復興支援および地域の活性化を目的として、C58 239を復元し、SL牽引の新しい列車をプロデュースしました。

1. 「SL銀河」

C58 239を復元し運行する列車は、釜石線・花巻〜釜石間を運行。牽引する客車については、釜石線沿線を舞台に描かれた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を代表的なテーマとして列車全体をプロデュースし、宮沢賢治の世界観や空気感、生きた時代を共有する事で東北の「文化・自然・風景」を感じていただける車内空間となっています。

2. 列車の仕様

○対象車両 C58 239(機関車)/キハ141系(旅客車)
○列車名 SL銀河
○座席 4両編成(機関車除く)/176名

3. 列車内のスペース

「東北の文化・自然・風景を通してイマジネーションの旅へ」をコンセプトとし、先人が造り出したSLや大正ロマンから現代への長いつながりと、宮沢文学のように自然や動物と調和し、互いに尊重しながら共存していくことを感じる空間としています。

○列車内空間 宮沢賢治の生きた大正から昭和の世界観。ガス灯風の照明やステンドグラス、星座のパーテーションなど、緩やかな個室感と柔らかな光の中でゆっくりと非日常を満喫していただけます。南部鉄器風の鋳肌(荷棚)などディテールには沿線の伝統形状をモチーフに、ここでしか体験できない空間を演出しました。

○コンテンツ 列車内のコンテンツは、宮沢賢治関連の展示のほか、沿線や東北ゆかりの品々を展示しています。その他、小型プラネタリウムや月や星にまつわる展示もしています。


月と星のミュージアム(左)、ギャラリー(中・右)

4. 客車の外観デザイン

夜空をイメージしたブルーをベーストし、そこに銀河鉄道の夜に登場する星座や動物をシンボル化し演出しました。

5. プロジェクトメンバー

本列車は、各ジャンルのスペシャリストの皆様にご意見やご協力をいただきながら、ご乗車のお客さまに、東北の文化・自然・風景を通してイマジネーションの旅へいざなう車内空間としてプロデュースしました。

○エクステリア・インテリアデザイン KEN OKUYAMA DESIGN 代表
奥山 清行(おくやま きよゆき)
1959年 山形市生まれ。ゼネラルモーターズ社(米) 、ポルシェ社(独) 、ピニンファリーナ社(伊)を経て2007年KEN OKUYAMA DESIGN を設立。企業へのデザインコンサルティングのほか、自身のブランドで自動車・インテリアプロダクト・眼鏡の企画開発から販売を手掛ける。著作多数。講演も行う。

○宮沢賢治関連の展示 作家・劇作家・演出家
ロジャー・パルバース
1944年アメリカ生まれ、シドニー在住。1967年に初来日し、その後ほぼ半世紀を日本で過ごす。その間、精力的に日本各地を旅し、日本の様々な土地の文化、風土、言語の特異性に触れ、様々な文化人との親交を深める。1983年に映画「戦場のメリークリスマス」の助監督、2008年に宮沢賢治賞、2013年には野間文芸翻訳賞を受賞。

○宮沢賢治関連の展示 資料協力
林風舎・宮沢賢治記念館

○沿線や東北ゆかりの品々の展示 ファッションジャーナリスト
生駒 芳子

○小型プラネタリウム プラネタリウムクリエイター
大平 貴之

○月や星にまつわる展示 アストロロジーライター
Saya

6. 列車内スペースのレイアウト

1号車

2号車

3号車

4号車

※配席図は変更となる場合があります。

7. 編成

SLが牽引する4つの客車に描かれた模様は、「銀河鉄道の夜」に登場する星座や動物たちがモチーフとなっています。はくちょう座、わし座、さそり座。ふくろう、ラッコ、鷺(さぎ)など、まるでそのまま物語の中から飛び出したかのよう。また車体を染め上げているのは、奥山清行氏が選んだこだわりの「青」。トーンが異なる8色もの青を塗り分けることで、夜が明け、朝へと変わりゆく空を表現しています。ジョバンニとカムパネルラの2人が乗っていたのも、こんな列車だったのかもしれません。

8. C58 239 の概要

○C58形蒸気機関車について

C58形蒸気機関車は1938年(昭和13年)に誕生し、10年間で427両が製造されました。この機関車は中型の旅客・貨物両用の機関車で、国鉄の蒸気機関車としてはじめて密閉型の運転室が採用されました。

このC58形蒸気機関車は当時の国鉄により全国の広範囲に投入配置され、戦後ディーゼル機関車への置き換えが始まるまで全国の地方線区で活躍しました。

○239号機について

今回復元している239号機は1940年(昭和15年)6月に製造され、1972年(昭和47年)に用途廃止となるまで、32年間のうち27年間、宮古機関区(当時)を中心とした岩手県で活躍していました。岩手県営運動公園内の交通公園には1973年(昭和48年)5月1日から静態保存されていました。

岩手県営運動公園(岩手県盛岡市)内の交通公園に静態保存されていた、復元前の「C58 239」。
岩手県営運動公園(岩手県盛岡市)内の交通公園に静態保存されていた、復元前の「C58 239」。

復元された「C58 239」。2014年4月12日から「SL銀河」として営業運転を開始しました。
復元された「C58 239」。2014年4月12日から「SL銀河」として営業運転を開始しました。

乗っちゃ王国「SL銀河」情報
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