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シリーズその3 大船渡 [岩手日報2007年7月7日(土)掲載]

新岩手見聞録技と心意気、気仙の誇りと出会う…。
 
大船渡駅長青柳三季夫さん写真 シリーズその3 盛駅長青柳三季夫さん

 盛駅はJR大船渡線、三陸鉄道の南リアス線、貨物の岩手開発鉄道という3鉄道の駅で、特に大船渡線、南リアス線は始発・終着駅になっています。2線の基点であるという特徴を観光面に生かしていければいいですね。
 大船渡といえば、やはり海の幸が自慢です。ウニやアワビ、そして秋にはサンマ。旬の味をぜひ味わってみてください。海産物を買うときは、街中の個人商店をのぞいてみるのも面白いと思いますよ。地元の人たちとふれあいながら買い物を楽しんでほしいですね。大船渡の人たちは、浜ならではの気質でしょうか、きっぷがよく面倒見がいいんです。市場を歩いてみれば分かると思いますよ。
 個人的なお薦めグルメを一つ挙げるならば、「秋刀魚だしラーメン」です。サンマでだしをとったスープはコクがあってもくせはなく、一度食べたらやみつきになります。
 観光スポットは、碁石海岸、長安寺、五葉山、世界の椿館・碁石など海から山まで盛りだくさんです。ちょっと足を延ばし、陸前高田の高田松原なども見てほしいですね。大船渡には温泉施設もいくつかあるので、旅の疲れをお湯で癒やすのもいいと思いますよ。
 五葉山に登った後は、五葉温泉で汗を流すというのもお薦めです。
 DCに合わせ今月21、22日に、大船渡の一ノ関〜盛間で旧型客車「レトロむろね号」を運行します。
 また、8月の大船渡夏まつりは海から打ち上げられる水中花火が見事ですよ。ぜひ大船渡に足を運んでみてください。
 
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大船渡海写真 ウミネコが群れをなして追いかけてくる。大船渡市末崎半島。観光遊覧船に乗り込む と、断崖や奇岩、ときおり垣 間見える砂浜など変化に富  んだ海岸線が目前に広が  る。海水の浸食によって  三つの巨大な洞門をもつ   穴通磯は圧巻だ。気の  遠くなるような年月を
かけてうまれた自然の造形美に、思わずため息が漏れる。
 良質な漁場の三陸沖。今の時期なら、やっぱりウニだろう。口開けされたこの日は、殻むき作業
に精を出す姿が漁港のあちこちで見られた。その手元からこぼれ見える、山吹色の身。たまらなく魅力的だ。
旨いもん発見
民宿「海楽荘」主人の志田豊繁さん  碁石海岸の民宿「海楽荘」を訪れた。主人の志田豊繁さん(42)が自ら採ったウニや養殖するワカメなどを食材に、刺身や煮魚など海の幸がテーブルいっぱいに並ぶ。目玉はカジキマグロのかぶと煮。3日間煮込んだだけあり、口に入れるとほろりと崩れる。
 東京で板前修業した後、家業を継いだ志田さん。観光案内する車中で客の好みを聞いて板場へ連絡するなど、一組ごとにメニューを吟味する気配りを欠かさない。「三陸に来たからには、この土地のパワーを存分に吸収してもらい
たい」との心意気だ。昼食であれば3000円の 予算から用意(要予約)。
匠の技にふれる
民俗文化博物館写真 海から陸に目を転じると、気仙大工の技を結集した建物の数々に出合う。大船渡市内の長安寺もその一つ。20メートル近い高さの山門が威容を誇る。
 禁制材のケヤキを大量に使うなどしたため藩のとがめを受け、未完成のまま200年余が流れている。金正俊住職(55)は「これほどまでの山門を建てたのは、ひとえに技を後世に残そうという気仙大工の気概」と話す。
 確かな技術を物語るエピソードも。「子どものころ、山門に上ってかくれんぼをするでしょう。風が吹くと揺れてね。12本の柱で支えているだけなんですが、後に専門家に診てもらったら横揺れ地震に強い構造だと分かったんですよ」
気仙の元気人登場!
気仙大工左官伝承館管理人黄川田巳之助さん 家大工でありながら神社仏閣の建築 も手掛けた気仙大工は元 々、陸前高田市小友 町を発祥とする大工集団だ。

 この地に気仙大工左官伝承館がある。「昔は建具や彫刻の細かな細工に至るまで、自慢の腕を競い合ったもんだよ」と管理人の黄川田巳之助さん(77)。作務衣姿と自信に満ちた口調が、棟梁その人を想像させるが、実は漁師だったという。「一緒に屋根にも上って、随分と手伝ったからね」と笑う。展示館や資料庫のほか、明治初期の農家をモデルにした母屋が目を引く。随所に匠の技が光り、感心することしきり。また同市内の普門寺三重塔は、意匠を凝らした各層の軒裏が特徴的だ。

駅前さんぽ
小野光魚店店主の小野寺徳也さん 大船渡市内に戻り、盛駅周辺を歩いた。5分ほどのところにある「小野光魚店」は、地元で水揚げされた魚介類を取り揃えている。店主の小野寺徳也さん(71)は「注文を受けてから、うちで作る塩ウニは絶品だよ」。試食させてもらうと、なるほど限定品というその味に納得した。
 山海の自然がもたらす恵みと調和しながら生きる人々の技・心意気に触れる旅になった。出会った、どの顔も誇らしげだったのが印象的だ。
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