この地に気仙大工左官伝承館がある。「昔は建具や彫刻の細かな細工に至るまで、自慢の腕を競い合ったもんだよ」と管理人の黄川田巳之助さん(77)。作務衣姿と自信に満ちた口調が、棟梁その人を想像させるが、実は漁師だったという。「一緒に屋根にも上って、随分と手伝ったからね」と笑う。展示館や資料庫のほか、明治初期の農家をモデルにした母屋が目を引く。随所に匠の技が光り、感心することしきり。また同市内の普門寺三重塔は、意匠を凝らした各層の軒裏が特徴的だ。