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シリーズその5 久慈 [岩手日報2007年7月21日(土)掲載]

新岩手見聞録
シリーズその5 久慈 [岩手日報2007年7月21日(土)掲載]
海、里、山に恵まれた街に心癒やされて…。
 
久慈駅長山崎 繁さん写真 シリーズその5 久慈駅 山崎繁さん

 三陸海岸の「北の玄関口」である久慈市は、琥珀や焼き物、美しい海岸線など見どころがいっぱいです。私は久慈駅に赴任してまだ2カ月たらずなので、今は地元の人たちからいろいろな話を聞き久慈について学んでいるところです。
 まだ見ていない場所も多いのですが、久慈琥珀博物館には真っ先に足を運びました。久慈と言えば「琥珀のまち」ですからね。虫や鳥の羽が入ったものなど貴重な展示物が数多くあり、興味深く見学しました。琥珀の採掘やアクセサリー作りも体験できるので、お子さんから大人まで幅広い年代の方に楽しんでもらえると思います。実際に体験するということなら、小久慈焼陶芸苑も面白いですよ。ここでは200年の歴史を持つ小久慈焼の製作工程を見学でき、オリジナル作品づくりにも挑戦できます。
 景勝地では「北限の海女」で知られる小袖海岸をお薦めします。特に海水浸食によってできた「つりがね洞」は必見です。また侍浜海岸には岩場を利用した天然の海水プールがあり、夏場は多くの海水浴客でにぎわいます。旅の疲れを癒やすなら新山根温泉の「べっぴんの湯」がいいですよ。ここのお湯はお肌がすべすべになると言われており、特に女性の方に入っていただきたいですね。
 私の出身地・青森も海の幸が豊富ですが、久慈も負けていません。ウニやアワビ、天然ホヤなど、どれもこれも逸品ぞろいです。海産物以外にも短角牛、平庭高原のジンギスカンなど多彩な食がそろっています。ぜひみなさんも久慈に足を運んでみてください。
 
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奇岩・つりがね洞写真 青空の広がる久慈市の小袖海岸。
奇岩・つりがね洞を見ながら進むと、そこは海女の海だった。かすりはんてんに赤い帯、白い短パン。手ぬぐいを額にきりりと巻いた姿が、実にさっそうとしている。
北限の海女に出会う
海女の欠畑サチ子さんと新井田イソ子さん ザブン。この日は、4人の海女たちが、観光客の求めに応じて素潜りを実演した。待つこと数十秒。両手いっぱいにウニを抱えて海面から顔を出す。プハーッ。彼女たちの息遣いが伝わり、見ている方もわくわくしてくる。潜ること数回。腰に結わえた網の中は、大量のウニで黒々としていた。
 欠畑サチ子さん(64)と新井田イソ子さん(51)は、この道30年以上のベテラン姉妹。
「たくさん採って、それを食べてもらうのが喜び。まだまだ頑張るよ」。北限の海笑女の顔がとびきり輝いた。


おもちゃ博物館 館主の中野正利さん JR久慈駅から歩いてすぐの巽町には、懐かしの品々を集めた私設博物館が点在する。ブリキ玩具など3千点以上が並ぶ「おもちゃ博物館」など3館。館主の中野正利さん(64)自慢のコレクションだ。
 「戦中・戦後のくらし博物館」をのぞくと、そこは昭和の薫り漂う世界。ちゃぶ台が置かれた茶の間や駄菓子屋の様子が再現されている。驚くのは、第二次世界大戦で使われた防空ごう。中野さんは「戦争を風化させないよう次世代のために開放したんです」と熱く語った。
太古からの贈り物
久慈琥珀博物館写真 久慈といえば、琥珀の産地としても有名だ。木立に囲まれた久慈琥珀博物館では、太古のロマンと出合うことができる。世界最古というその歴史を多彩な角度から学び、癒やしや安らぎなど秘められたパワーを体感。ショップには甘い色合いのペンダントなどが並び、女性スタッフから「琥珀色と言っても、250色もあるんですよ」と教わる。館内を巡り終えるころには、すっかり、そのとりこに。
 そこで体験メニューの一つ、アクセサリー作りに挑戦した。インストラクターリーダー中村光夫さん(32)の指導で琥珀のかけらを削り、磨き上げること30分余。ころんと丸みを帯びた愛らしい滴型のペンダントトップができた。「世界にただ一つ」―。こんなアクセサリーを贈られたら感激すること間違いない。
旨いもん発見
レストラン「白い森」の店長の篠山貴幸さん 久慈の味覚を楽しむため、西へ。山形町に足を延ばす。ここは「山形村短角牛」の里。白樺林が美しい平庭高原にレストラン「白い森」がある。一番人気という「ステーキ丼」(1500円)をほおばった。柔らかく、それでいてかむほどに肉のうま味が口いっぱいに広がる。
 店長の篠山貴幸さん(31)は「肉の味が濃く、ヘルシー。地元の素材にこだわっており、おいしさを多くの人に知ってもらいたい」と話す。予約すれば、ステーキやにぎりずしなど短角牛尽くしのコースも用意(6000円から)。また郷土食のまめぶは、懐かしい味わいだ。
 雄大な自然に抱かれ、心癒やされるひととき。海、里、山に恵まれた久慈には、訪れる人を優しく包み込んでくれる空気が満ちていた。
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