青空の広がる久慈市の小袖海岸。
奇岩・つりがね洞を見ながら進むと、そこは海女の海だった。かすりはんてんに赤い帯、白い短パン。手ぬぐいを額にきりりと巻いた姿が、実にさっそうとしている。 |
|
 |

 |
ザブン。この日は、4人の海女たちが、観光客の求めに応じて素潜りを実演した。待つこと数十秒。両手いっぱいにウニを抱えて海面から顔を出す。プハーッ。彼女たちの息遣いが伝わり、見ている方もわくわくしてくる。潜ること数回。腰に結わえた網の中は、大量のウニで黒々としていた。
欠畑サチ子さん(64)と新井田イソ子さん(51)は、この道30年以上のベテラン姉妹。
「たくさん採って、それを食べてもらうのが喜び。まだまだ頑張るよ」。北限の海笑女の顔がとびきり輝いた。
JR久慈駅から歩いてすぐの巽町には、懐かしの品々を集めた私設博物館が点在する。ブリキ玩具など3千点以上が並ぶ「おもちゃ博物館」など3館。館主の中野正利さん(64)自慢のコレクションだ。
「戦中・戦後のくらし博物館」をのぞくと、そこは昭和の薫り漂う世界。ちゃぶ台が置かれた茶の間や駄菓子屋の様子が再現されている。驚くのは、第二次世界大戦で使われた防空ごう。中野さんは「戦争を風化させないよう次世代のために開放したんです」と熱く語った。
|
|
 |

 |
久慈といえば、琥珀の産地としても有名だ。木立に囲まれた久慈琥珀博物館では、太古のロマンと出合うことができる。世界最古というその歴史を多彩な角度から学び、癒やしや安らぎなど秘められたパワーを体感。ショップには甘い色合いのペンダントなどが並び、女性スタッフから「琥珀色と言っても、250色もあるんですよ」と教わる。館内を巡り終えるころには、すっかり、そのとりこに。
そこで体験メニューの一つ、アクセサリー作りに挑戦した。インストラクターリーダー中村光夫さん(32)の指導で琥珀のかけらを削り、磨き上げること30分余。ころんと丸みを帯びた愛らしい滴型のペンダントトップができた。「世界にただ一つ」―。こんなアクセサリーを贈られたら感激すること間違いない。
|
|
 |

 |
久慈の味覚を楽しむため、西へ。山形町に足を延ばす。ここは「山形村短角牛」の里。白樺林が美しい平庭高原にレストラン「白い森」がある。一番人気という「ステーキ丼」(1500円)をほおばった。柔らかく、それでいてかむほどに肉のうま味が口いっぱいに広がる。
店長の篠山貴幸さん(31)は「肉の味が濃く、ヘルシー。地元の素材にこだわっており、おいしさを多くの人に知ってもらいたい」と話す。予約すれば、ステーキやにぎりずしなど短角牛尽くしのコースも用意(6000円から)。また郷土食のまめぶは、懐かしい味わいだ。
雄大な自然に抱かれ、心癒やされるひととき。海、里、山に恵まれた久慈には、訪れる人を優しく包み込んでくれる空気が満ちていた。 |
|
 |