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シリーズその4 北上 [岩手日報2007年7月14日(土)掲載]

新岩手見聞録
シリーズその4 北上 [岩手日報2007年7月14日(土)掲載]
鬼のすむまち、人も風景も優しさに満ちて…。
 
北上駅長 木村 隆光さん写真 シリーズその4 北上駅長 木村  隆光さん

 北上市は、東北でも指折りの工業都市だけあって元気な街です。展勝地の桜は、弘前、角館とともに春の3大桜まつりとして、私どもJR東日本がお薦めして4年になります。知名度もぐんとアップし、期間中は60万人の方が訪れるんですよ。
 桜咲く季節は過ぎましたが、秘湯・夏油温泉までを結ぶ「いで湯ライン」にお出掛けになってみてはいかがでしょうか。このルート沿いには温泉施設がたくさんあり、自然も豊かなんです。北上に赴任して1年になりますが、お薦めする以上はと、私も全部入ったんですよ。
 鬼剣舞もよく知られていますね。「渡鬼(とき)の人」といって、市外から来た人を大切にし、意見を聴こうとする風土が北上にはあります。街が元気になるお手伝いをしたいと、私もいろんな場面でお話をさせてもらっています。
 桜、鬼剣舞とともにお薦めしたいのが二子芋。間もなく「桜せんべい」が発売されますが、こうしたお土産品の商品化は、「食」という旅の大きな要素を満たす取り組みの一つとして重要だと考えています。最近では、若手の料理人らが特産素材を使って開発した「北上コロッケ」が好評。
エリア全体で連携し、魅力を高めていく動きが活発になっていて、ますます目が離せませんよ。
 北東北DCがいよいよ始まりました。お客さまの視点に立ち「一歩前に出たサービス」を駅員一同で心掛けています。 ぜひお越しください。
 
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記念運行されたD51形蒸気機関車  「キッポーッ」。甲高く響く汽笛の音が心地よい。小気味いい蒸気音とともに水田地帯をSLが走る。北東北デスティネーションキャンペーンに合わせて記念運行されたD51形蒸気機関車に乗り北上へと向かった。
駅前さんぽ
鬼剣舞 北上は鬼の街だ。市民憲章には「あの高嶺 鬼すむ誇り」とうたわれている。北上駅では鬼剣舞をモチーフにした、利根山光人作のダイナミックな壁画が旅行者を出迎えてくれる。駅前にある「おでんせプラザぐろーぶ」
に立ち寄ると、1階の観光物産館では北上のさまざまな特産品とともに鬼剣舞面も並べられていた。
ふと足を止め見入ってしまう不思議な魅力がある。装飾や実用のほか厄除けとしても人気が高いという。
北上の元気人登場!
ガイドボランティア
菊池千代さん(73) 
 北上駅の東側、北上川河畔に広がる展勝地の桜並木は東北有数の桜の名所として知られる。
展勝地内には29棟の古民家や武家屋敷、竪穴式住居などが移築・復元されているみちのく民俗村がある。
ここでガイドボランティアを長年務めている菊池千代さん(73)は「全国から訪れる方々との会話が楽しいんです。こちらが一方的に説明するのではなく、コミュニケーションを大切にしています」と笑顔で話す。かつてはバスガイドだったというだけあり、リズム感ある軟らかな語り口で、めくるめく時間旅行へといざなってくれた。
旨いもん発見
「大安楼」5代目・高橋宏尚さんと「北上コロッケ」 北上の新たな名物として売り出し中なのが「北上コロッケ」だ。このコロッケは「北上ならではの料理を」と、調理師会、青年会議所のメンバーが協力して考案したもので、レストランなど市内約10店舗で1年ほど前から提供している。
 明治29年創業の老舗料亭「大安楼」のメニューに並ぶのは「コロッケ丼」と「コロッケサンド」。ジャガイモの代わりに使った地元産の二子芋、きたかみ牛、アスパラが独特の食感と絶妙な味わいを作り出している。同店5代目・高橋宏尚さん(38)の「料理には伝統と革新が必要。お客さまの五感に訴えるものを提供していきたい」との口調はとても熱い。
「鬼の館」鬼の面 郊外へと足を延ばし、世界各地の鬼に関する資料を展示する「鬼の館」を訪ねた。展示室に足を踏み入れた途端、逢魔時の異界が広がる。そこに並べられているのは鬼の面、面、面…。同館の鈴木明美上席主任学芸員(56)は「鬼は本来、怖い心と優しい心の2つを併せ持つ存在。それは人間そのものでもあるのです。ぜひ当館に足を運び、鬼の本当の姿を知ってください」と話す。
秘湯でゆったり
夏油温泉県道夏油温泉―江釣子線を進み秘湯・夏油温泉を目指す。「いで湯ライン」と名付けられたこの県道沿いには10軒の温泉施設や
スキー場が並ぶ。つづら折りの道に覆いかぶさるように枝を伸ばす
ブナ林の樹影が途切れたところが目的地だ。旅の思い出に浸りながら川沿いに点在する6つの露天風呂を満喫した。焼石岳から流れ出る川のせせらぎが耳に優しい。山の木々は、そこに住む鬼の姿を隠すかのようにうっそうと茂り、深緑の葉を揺らしていた。
 いで湯ライン
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